著作権(財産権)は、
前述の著作権人格権とともに付与され、著作者の財産的な利益を保護するための権利です。
著作人格権とは異なり、権利の全部または一部を譲渡することができ、著作者が死亡しても権利存続期間は権利が存続します。
■<複製権>著作権法第21条
無断で複製されない権利です。←最も強力な権利
例えば、
コピー機やCDのダビングのコピー以外にも上演・放送されたものを録画する行為や
建築物の図面にしたがって建築物を完成させる行為も複製に該当します。
■<上演権及び演奏権>著作権法第22条
無断で公衆に上演・演奏されない権利です。
路上ライブは典型的な利用例です。
また、録画されたものを再生する行為や
電気通信設備を用いて伝達する(公衆送信に該当するものを除く)行為も該当します。
■<上映権>著作権法第22条の2
無断で公衆に上映されない権利です。
例えば、
映画の上映だけではなく、音楽ショップでPVを流したり、カメラで著作物をスクリーンに大きく映し出す行為が該当します。
■<公衆送信権等>著作権法第23条
公衆送信権とは、公衆によって直接受信されることを目的として無線通信または有線電気通信で送信されない権利です。
例えば、テレビ放送、ホームページへの写真掲載が典型的な利用例です。
※注意
同一構内で行われる有線・無線LANによる送信については、公衆送信の対象外です。
しかし、プログラムの著作物については公衆送信の対象となります。
■<口述権>著作権法第24条
言語の著作物について無断で公衆に口述されない権利です。
口述とは、朗読、生講演、録音された著作物を再生することを含みます。
<展示権>著作権法第25条
美術の原作品や未発行の写真の原作品を無断で公衆に展示されない権利です。
写真とは、ネガではなく、プリントされたものです。
■<頒布権>著作権法第26条
映画の著作物のみの権利であり、著作物の複製物を無断で頒布されない権利です。
例えば、ビデオやDVDの販売・レンタルが典型的な利用例です。
公衆に提示することを目的として、特定少数の者に対し映画の著作物を譲渡または貸与することも含まれます。
頒布は、有償や無償は関係ありません。
<譲渡権>著作権法第26条の2
著作物の原作品または複製物を公衆向けに無断で譲渡されない権利です。
権利者から適法に販売されたものを購入して転売する行為は、譲渡権が消尽しますので、譲渡権の侵害にはなりません。
<貸与権>著作権法第26条の3
著作物の複製物を無断で公衆に貸与されない権利です。
例えば、音楽CDなどのレンタルが典型的な利用例です。
なお、図書館における非営利で無料の貸与については、例外規定として貸与権の侵害にはなりません。
<翻訳権、翻案権など>著作権法第27条
著作物を無断で翻訳、編曲、変形、脚色、映画化などにより二次的著作物を創作されない権利です。
翻案とは、例えば、小説のドラマ化、映画化、アニメ化、ゲーム化、プログラムの修正を超える変更などを含みます。
<二次著作物の利用に関する原著作物の権利>著作権法第28条
自己の著作物から創作された二次著作物をさらに第三者に無断で利用されない権利です。
すなわち、二次的著作物を利用する場合、二次的著作物の著作者の許諾の他に原著作者の許諾も必要であるということです。